【豚丼】うまかったです【吉野屋】   

朝から夫婦揃って寝ぼけている。もうすぐ2歳になる息子はポンキッキーズの機関車トーマスを見て一人静かに燃えていた。
両親は、新宿コマで行われている小林幸子のショーを見に出かけるため慌ただしい。
朝食、得体の知れない魚の切り身と、納豆、厚焼き玉子を食べ腹三分目で出社。

昨日の夜、少し雪が降ったみたいだ。
車のフロントガラスにうっすら雪の形跡を残し、過ぎゆく冬の風情を感じてみた。
会社に出社したもののボンヤリ灯りのともった行灯のごとく気持ちは半分夢見心地。

今日は寒い。寒気という冬の残党に肌を刺されつつぼんやりと思った。
今日のお昼何にしよう。

事務所のダルマストーブに火をつけようとチャッカマンに灯る炎を見たとき、マッチ売りの少女が過去の思い出を投影するがごとく一杯の器が写った。
それは牛の姿が丼に刻まれている・・・
そうだ吉野家にしよう。

早速、吉野屋のサイトを調べてみた。
余談がだ、吉野「家」でなく吉野「屋」であることを今日初めて知った。
牛丼は姿を消し、特質すべく代替え主力商品の無かった吉野屋に一輪の光が見えた。
そう、それは「豚丼」。

豚丼。すき屋では「とんどん」と呼ばれている。
だが、それを嫌ったのかは知らないが吉野屋では「ぶたどん」という安易なネーミングに落ち着いている。やはり老舗は落ち着きが大切であると納得してみた。

普通盛り320円、大盛り420円。
すき屋よりも価格設定が高い。それだけのアドバンテージが有るのか否か、またカロリーが掲載されており大盛りが850kcalとなっている。よけいなお世話だ。

昼30分前になった。
野暮用で出かけるとホワイトボードに適当な行き先を書き、目指すはソウルフードのエルサレム吉野屋へと車を走らせた。

私は躊躇無く店内に入る。
カレーの匂いが漂っている。
店員に語りかけた「ぶたどん 大盛り ひとつ」。
女性店員が、大盛り一丁と明後日の方向に向かって叫ぶ。
絶叫が店内に響きわたる。
客が一瞬箸を休め私の方を凝視した。この一瞬がたまらなく吉野屋である。

さらに波状攻撃は続く
女性店員が弁当を渡すとき、「生姜と七味をお入れしましょうか?」
オプションをセットするか否かを聞いてきたのである。
さすが相手は強者だ。

なにぃ!黙って入れるものは入れておけ!
と、激しく言いたかったのだが争い事を嫌う私は代官様に取り入る百姓のごとく「おねがいします」とか細い声で言った。
長きにわたり吉野屋に貢献してきた私に対して一見客同様な振る舞い。さすが客を甘やかさない吉野屋魂。この精神が吉野屋の飛躍につながっているのだろう。

事務所に戻った。
そこは節電のため照明が消された殺風景な風景が広がる。
私は蛍光灯の電気をつけ、机の上に豚丼を置いた。
80ワット分の光量を前に現れたるは豚丼の入ったポリ容器。
さぁどうやって喰ってやろうか。

朝、腹三分目というデブにしてはか細い食事量。腹減りインジケーターはレッドゾーンに達している。
私自身、少々殺気づいてきことに気がついた。
近づく人をことごとく傷つけてしまうことであろう腹減り具合。
だめだ、早く食べてしまわなければ。

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豚丼の蓋を開けてみた。
少し生姜のにおいがする。
肉の一欠片を口に運んでみる。
うぅ、うまい。
埼玉銘菓十万石まんじゅうではないが、うまい。
さらに箸を進めていく。
ゴボウが入っているのか。この食感も豚丼とマッチし、なかなかではないか。

もうこうなると止められない。
盗んだバイクで走り出す十五の夜の勢いである。
嗚呼・・・

一気に口に運ぶ。
そして容器は空になった。

食してからの感想であるが、私は十分満足した。
強烈な牛丼ファン以外であれば、牛丼同様の満足感を得ることができるだろう。
ただ、微妙に味が違うので、牛丼に取り憑かれた人にはその呪縛を解くのは容易ではいかもしれない。

私は、激しく腹が空いていたので、豚丼といわず牛丼ですと言われたらそうですかと言ってしまいそうな予感。
味付けも食感も牛丼同様のテーストである豚丼。
あなたはもう食べました?
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by alpha7d | 2004-03-06 14:10 | 今日の一枚・日記

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